沼津市 多比 石丁場隧道群1




大きな地図で見る
ある日GoogleMAPをボーっと眺めていたところ、沼津市内に変な物を見つけました。 左の地図をご覧下さい。なんか隧道があります。もとい、隧道があるように見えます。 地図上ではおおよそ150メートル。

でも、何か・・・不自然ですよね?

そもそも沼津市民の私が、こんなの知らないんですけど・・・。

ちょっと広域MAP。こんな場所にこの長さの隧道を掘る必要があったのでしょうか? というわけで、どんな隧道があるのか見に行ってみました。

そんな9月、夏真っ盛り。




さて、東側入口に地図通りに向かっているのですが・・・。 明らかにおかしいよ!本当にこっちなの!? こんな坂の奥に150メートルの立派な隧道があるとは・・・

ちなみにこの数十メートル前の分岐を右に行けば、 「山さ行がねが」様がレポートされた 山田隧道(旧口野隧道) へ向かう道になります。 アレのすぐ近くということで、こっちにも何かあるんじゃないかと 内心期待して坂道を登ります。汗だくで。


・・・・・・え?

何かあるけど・・・。まさかコレ?確かに隧道・・・と言っていいのかどうか。 入口は左右2つあり、左は埋没、右は封鎖されているようです。 この平らな断面と長方形の切り口、これは伊豆地方特有の石丁場("伊豆石"を切り出す石切り場) の特徴です。 ということは、山田隧道(旧口野隧道) と同じく石丁場を利用した隧道なのでしょうか?


前言撤回、右側は鍵が掛かってないよ!フリーパスだよ! もしかして、どうぞお入り下さいってことでしょうか?(んなわけない)

ちゃんと鍵が掛かっていれば、帰る口実になったのに・・・


入ってすぐを、フラッシュ無しで撮影した写真です。 入ってすぐでこの暗さです。 ドンキで480円くらいだった、単一電池使用の無駄にでかい懐中電灯をスイッチオン。


埋没していた左側入口の裏側です。瓦礫だけでなく廃タイヤなどもある。 どう見ても故意に埋められていますね。 金網を2箇所に設置するコストを節約するために、片方を埋めて封鎖したのでしょうか。


さて、奥に進んでいきます。オレンジ色の頼りない光が懐中電灯で、 写真はフラッシュを焚くので全体が見えますが、通常はオレンジ色部分の周辺しか見えません。

それにしても、中はとても涼しい。ほんの十数メートル入っただけで、 まるでクーラーの利いた部屋にいるかのよう。


瓦礫に土砂にゴミも多く、足元に気をつけて進みます。 この長方形の断面、やはりどう見ても石丁場ですね。


金属製の自動車?にしては小さいですが、運搬用カートのようなものでしょうか? 錆びて朽ちています。


曲がり角から、南北方向に真っ直ぐ貫く通路になりました。 地図にあるような東西一直線ではありません。

ここはフラッシュを焚いても奥が見えないくらい長い通路です。 懐中電灯一本でここを歩くのはかなり心細いです。 というか480円の安物懐中電灯で、もし壊れたら一大事すぎる。 真似しちゃいけません。私ももうこんなことはしない。

ちなみにここは重要なポイント。 この通路は長方形の断面ではなく、丸みを帯びたアーチ型をしています。 石を切り出すのなら、このような形で切り出すことはありません。 つまり、今までのエリアは石を切り出す過程で出来たものでしたが、 この通路は通行のためにわざわざ造られたものだ、ということになります。


南北に長い通路の突き当たり、瓦礫の上に朽ちた何かの機械の部品。 そして茶色に錆びた空き缶に混じり、錆びていないKIRINの空き缶があります。 アルミ缶でしょうか。 わざわざこんな所に捨てに来なくてもいいのに・・・。


更に何度も曲がり角を通過。何となく西へ向かっていることはわかりますが、 これで分岐があったりトラブルで前後不覚になったら迷いそうだ・・・。


天井からぶら下がる、鉄製の蛍光灯器具。 石切りが行われていたのはほぼ戦前、日本で蛍光管が一般に広まったのは戦後なので、 石丁場が後に何かに転用されたのでしょう。


今度は大量の木片。元が何だったのかわかりません。 粉々ですが、ここでわざわざ破壊されたのでしょうか? 経年劣化で自然にここまでバラバラになるとは思い難いですが・・・。

天井にはケーブル管が現れました。蛍光灯器具に繋がる電線でしょうが、 既に通電していないと思われます。


ふとフラッシュ無しで撮影してみた。頼り無さすぎる懐中電灯の灯り。 実はずっとこんな状態で歩いてます。えへへ・・・


こ、これは・・・。 ビニール袋に詰まった大量のプラスチックボトルです。 中に危険な薬品が!?なんてこともなく、空っぽの模様。 俗っぽいモノを見てしまい何か興醒めしてしまう。


錆びた台車。これも金属部分は茶色に錆びていますが、いつ頃のものなのでしょう。

この辺りから、洞内分岐がチラホラ出始める・・・。やばい。 とりあえず西っぽい方向を目指して進みます。 いざとなれば伝家の宝刀「右手法」があるさ!(やめなさい)


ぎゃー。いよいよもって新しめのプラスチックケースの山。 近辺の住人が物置として利用しているのでしょう。


外だッ!


沼津市 多比 石丁場隧道群2 へ続く。



沼津市 多比 石丁場隧道群2へ

戻る

当ページの地図は カシミール3D で作成したものを使用しています。 inserted by FC2 system