沼津市 静岡県道17号線 井田トンネル旧道




高速フェリーより撮影した井田トンネル旧道(赤枠内)



沼津市と戸田村が合併したのは、つい最近の2005年のこと。 しかし合併して一つになったとはいえ、沼津側と戸田側の間は山が遮り、 陸路での交通の手段は、真城峠を越える静岡県道127号(船原西浦高原線)か、 静岡県道17号(沼津土肥線)となりますが、 どちらも山を越える道であり、舗装されたのもここ20年程のことです。

さて、2つあるルートのうち県道17号線は、沼津側からずっと駿河湾の海際を辿りますが、 大瀬崎から南は、海際の崖に削った道を通行する箇所があります。 現在はピーク付近は井田トンネル(1993年完成)で安全に通過できるようになりましたが、 その脇に、危険だったため封印された旧道(赤線)が廃道となって残っています。




井田トンネルの南側です。 道路脇の車止めの奥に旧道跡がありますが、 これは線形改良によるもので、トンネル手前で現道と合流します。


井田トンネル入り口。 1993年3月開通、全長406メートルです。 左脇のガードレールがなんと旧道入り口です。


この先が旧道、ってぱっと見ではわかりませんね。 マトモな人なら、好き好んでここに入ろうとは思わないでしょう。 でも私はマトモな人ではないので進入します。


旧道に進入。 草が全てを覆い隠し、ガードレールが無ければ、ここが道(しかも県道)だったとはわかりません。


暫く進むと足元にアスファルトが現れ始めます。 白線も結構しっかり残っている模様。


更に進むと、落石が目立ってきます。 現役時代にこれだけの落石があったらと想像すると、恐ろしいです。


最近目にすることが少なくなってきた「警笛鳴らせ」。 このように、警笛を鳴らす必要がある道路が改良されてきたために、 あまり見なくなったのだなぁと改めて納得。 ポールは曲がっていますが、標識自体は結構キレイです。


時折、潅木が道を塞ぐ。 草の藪と違い、木の枝と幹は強行突破できるものではないので ルート選定が必要になります。 廃道となってから、こんな木が育つほどに時が経過している。


落石防止ネットの内側は既に落石で溢れている。


でーたー!

崖の崩落により道路が埋まっている。


土砂がガードレールまでギッシリ埋まった状態。 木の枝がすぐ上に伸びているため、中腰で進まざるを得ない。 左は崖だが、足元がしっかり固まっている状態なので危険は感じなかった。


崩落地帯を越えて・・・県道標識だ!

静岡県道17号線 沼津土肥線 戸田村井田

廃道化から16年以上経つのに、何故こんなにキレイなのか? 左のカーブミラー(多分)は錆びて朽ちているのに、県道標識は汚れてもいない。

もしかしてトンネル開通後にも標識の交換が為されたのだろうか?


ガードレールの外側に、赤白縞々の古いタイプのガードレール。 更にはお地蔵様が、既に誰も通らない道を見守っていました。

あ、私が通ってますね。無事通過できましたありがとうございます。


ギョー! 今度は緑の絨毯!踏み心地はシャリシャリした不思議な感じ。 そして潅木地帯も幾度と繰り返す。


無理矢理進むのが難しい潅木エリアを、 左右にスライドしたり踏み越えたり 屈んだり屈んだり屈んだりしつつクリアしていく。 自分の身体のサイズと背負ったリュックが抜けられる隙間を探し、抜ける。 さながら潅木の迷宮。


幾度となくクリアしてきた潅木エリアを振り返って撮影。 ガードレールが無ければもう、ここが県道だったなどと 気付かれないのではなかろうか。


そしてようやく井田トンネル北側へ合流し、 ここで廃道は終わりとなる。


現道より旧道入り口を撮影。 ガードレールと、更に 大きなコンクリートブロックで固定された戸田村の看板により、 この旧道に自動車が侵入することは二度とないでしょう。


おまけ。
井田トンネルの北側入り口です。




今回の探索時間:16分


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当ページの地図は カシミール3D で作成したものを使用しています。 inserted by FC2 system