西伊豆町 松ヶ崎トンネル旧道



まずは地図をご覧下さい。 西伊豆町の宇久須の市街地と、その北にあるクリスタルビーチの間を 海まで迫り出した山が隔てており、そこを 国道136号 松ヶ崎トンネルが貫いて繋いでいます。

では、松ヶ崎トンネルが開通する前は?それが地図中に赤線で示した位置。 昔はこの海際のラインが国道136号線でした。 現在は用済みとなったこの旧国道136号線、今はどうなっているのでしょうか?




さて、ここが現国道136号線の松ヶ崎トンネル北側です。全長234.2メートル。 ここでトンネルに入らず、右側に入っていきます。


そこは駐車場、その先には公園がありました。 そして階段を下りた先が宇久須クリスタルビーチ、そして正面の海が宇久須港です。


公園と砂浜の境に遊歩道がありました。ここが旧国道なのか? とりあえず歩いてみましょう。


しかしこの遊歩道は間も無く行き止まりとなりました。残念。 失意のうちに、ふと振り返ると・・・あれ?


上にあるの、ガードレールじゃね???

コンクリート製の、古いタイプのものです。 海や足元を見ながら歩いていたので、振り返るまで気付きませんでした。


遊歩道の終点から撮影。むう、確かにあるなぁ。さっきは何で気付かなかったんだろう。 ガードレールは2タイプあります。 手前の石垣と奥の黄土色の岩盤(この地域特有のプロピライトという岩石)の境目には コンクリで土台が造られています。

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ダッシュで「上の道」の入り口まで戻ってみると・・・

うわぁ・・・
これは酷い。廃材+バリケード+有刺鉄線で、その先は激藪。 マトモな人間なら入ろうとも思わないでしょう。

でもごめんなさい、私マトモじゃないんです。


廃材やバリケードくらいなら喜んで突撃する、マトモではない私でも、 有刺鉄線は流石に無理です。刺さります。 というわけで、進入箇所を探してウロウロ・・・そして見つけました。 遊歩道から、バリケードの少し奥の位置に進入できそうです。 写真では判り難いですが、左上に先ほどのバリケードの裏側が見えます。 2.5メートル程のほぼ垂直の段差を、木の枝を掴みよじ登ります。

誰か見ていたら変質者として通報されるレベル。小雨の降る秋で良かった。


はい、激藪一丁入りまーす。


激藪と言っても、草類ばかりでなく樹木も多く、通れる道を探して右往左往しつつ、少しずつ進みます。 擁壁は防護ネットが残ってはいますが、その内側に施されたコンクリ塗りは剥がれ落ちています。


藪と格闘し、ようやく脱出。右下に先ほどの遊歩道が見えます。


ここまでは舗装があったかどうか不明(あったとしても土が積まれていた?樹木が生えていたし)でしたが 明確に舗装が現れました。


そしてコンクリート製ガードレール。 長年放置されたそれは、劣化し中の鉄骨が剥き出しになったり、崩れ倒れていました。


更に進むと、先ほどの激藪が嘘のように綺麗な路面が現れました。 但し落石が多く見られます。


ふと見上げた風景。こんなに切り立った崖の下を削って道路を作っていたのですね。 全面コンクリで補強してありますが、防護ネットはもう錆びてボロボロ。


時折藪が復活しますが、基本的に気持ちの良い廃道を行きます。


振り返って撮影。 正面には廃れた道、左下方には綺麗な遊歩道、そして奥には宇久須クリスタルビーチ。 この世界から隔絶された感が良いわぁ。


崩れたガードレールから海面を覗き込む。結構高さがあるなぁ。


コンクリートではなく金属製のガードレールもありましたが、 元からこの色だったかの如く茶色に錆び、ボロボロに朽ちています。



そして・・・


この柵の向こうは港湾施設のようです。 松ヶ崎トンネル旧道、ここにて終着。

写真を撮影していたら、奥から作業服姿のおじさんがこちらに向かってきたため、 慌てて撤収。これでこの廃道の探索を終えます。

あー、帰りもあの激藪を通るのか・・・。






今回の探索時間:22分


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当ページの地図は カシミール3D で作成したものを使用しています。 inserted by FC2 system